『工業高校から工学部に行く必要はあるのか?』工業高校から工学部に進学した経験者が解説

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『工学部への進学を考えているけど、工業高校と何が違うの?』とお悩みではありませんか?

私は元々、工業高校卒業後に就職するつもりでした。しかし、工学部への進学に変更したのは就職先の業種が製造業・電気工事士・事務に限定されていたからです(電気科の場合)。

製造業に就いた友達は『単純作業の繰り返しは楽じゃない』と製造業の苦労話を吐露してたので工学部への進学は間違ってなかった!と思ったことがありますが、工業高校から工学部に進学することは良いことばかりではありません。

この記事では工業高校から工学部へ進学した私の体験談をもとに「工業高校と工学部の違い」「進学して苦労したこと」を紹介します。

工学部への進学をおすすめする人
  1. 就職したい企業がある人
  2. もっと勉強したい人
  3. 時間がほしい人
  4. 高卒で就職した場合の給与が気になる人
目次

工業高校と工学部の違い

シンさん

工業高校と工学部で何が変わるのか見ていきましょう!

学習面

『指定の単位を取って工学部を卒業すると、工業高校教諭の免許が取得できるのをご存じですか?』

つまり、工学部では工学の知識を高校生に教えられるレベルまで詳しく勉強することになります。

同じ工学部でも大学によって講義のレベルは天と地の差があるのでどこの大学に進学するのかが重要です。

工学部に進学すると主体性が求められます。

主体性が求められる事例
  • 受講する講義の決定
  • サークル
  • インターン
  • 友達作り
  • 長期休みの過ごし方
  • 実習・実験・研究

実習・実験・研究は個人でやることが多いので自分で率先して行動しないと終了時間に間に合わないこともあります。

私が以前受講していたプログラミング実習では正解の出力結果が得られるまで終われませんでした。

給与比較

初任給

性別高卒大卒
男性168.9千円212.8千円
女性164.6千円206.9千円
参考:令和元年賃金構造基本統計調査(初任給)の概況

初任給の時点で高卒と大卒でおよそ4万円の差があります。そして、この給与の差は年々広がっていきます。

生涯年収

学校卒業後フルタイムの正社員を続けた場合の 60 歳までの生涯賃金(退職金を含めない)が以下の表になります。

性別高卒大卒
男性2億1千万円2億7千万円
女性1 億 5 千万円2 億 2 千万円
参考:ユースフル労働統計2021

高卒と大卒でおよそ6000~7000万円の差があります。

大卒は高卒よりも4年間働く年数が少ないにもかかわらずこれほどの差が生まれます。

就職先

工業高校

工業高校は企業から届いた求人票の範囲で就職活動を行います。

有名企業にも就職できると言われていますが、製造業、資格を持つ仕事(電気工事士、建築士、自動車整備士)など体力を使う現場仕事がほとんど。

就職先の選択肢が少ないことに加え、体力勝負の仕事が多いので働き続けるのが難しいのが現状です。

工学部

大学生の就活では自由に就職先を選ぶことができます。

しかし、学歴フィルターという言葉があるようにある程度の学歴がないと履歴書の時点で弾かれることがあります。

大学生はインターンで仕事内容・職場環境を把握することができるのもメリットです。最近ではインターンに来た人を積極採用する企業も多く、就活の在り方も徐々に変わってきています。工学部からの就職では研究職・開発職に就く人も多くいます。 

高卒と大卒では出世にも大きな差が生まれます。

高卒で早く入社したとしても4年後に大卒で入社してきた同い年の人のほうが出世が早いことはよくあることです。

高卒と大卒では仕事内容・配属される場所に違いがあるので出世可能な範囲にも差が生まれます。現場仕事の割合が多い高卒の人の出世範囲は現場責任者までしかなれないとも言われています。

転職

新卒3年以内の離職率は3割というデータがあります。

仕事が合わなかったり、適した仕事環境を探して転職する人も最近は少なくありません。

転職する際に求人転職サイトの求人条件を見ると『大卒以上』と記載されていることがあります。転職でも学歴は優秀な人材を見極める1つの指標になっています。

工学部に進学して苦労すること

工業高校から大学進学するのは良いことばかりではありません。

苦労したこと
  • 授業についていくのが難しい
  • 実験・研究が忙しい
  • 進級・卒業に必要な単位数が多い
  • 就職活動

普通科目の授業が少ない工業高校から進学すると大学で苦労します。私も周りのレベルに追いつくためにたくさん勉強しました。

さらに、理系ならではの実験・研究が忙しかったり、就職活動が大変だったりします。

良いことばかりではないんです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

工学部へに進学は学習面・給与面・就職面を見ると進学すべきと判断してしまう人もいるでしょう。しかし、工業高校から工学部へ進学した人の中には留年する人も多くいます。

「就職したくない」「遊びたい」などの理由で工学部に進学すると留年、退学することになります。

4年間勉強を継続して続けられるか考えてから工学部に進学することをおすすめします。

ご覧いただきありがとうございました。

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