工業高校の電気科について教えて?
電気科卒業生の私が電気科の魅力をお伝えします。
- 電気科の就職先
- 取得しておくと役立つ資格
- 気になる授業内容
電気科の主な就職先
電気科の主な就職先をご紹介します。
- 電気工事会社
- メーカー
- 電力会社
- 電気保安協会
- 公務員
やはり電気関連が多いですね。
特に人気がある就職先は「電力会社」「電気工事会社」「電気保安協会」です。
それぞれ詳しく見ていきましょう!
電気工事会社
電気工事士は家の配線工事や送電線の工事などを行う仕事です。
電気科では第1種電気工事士や第2種電気工事士の資格取得に向けて勉強します。
そのため、電気工事会社から私の学校にもたくさんの求人が届いていました。
電力会社
電気科の中で人気の高い就職先です。
就職組でトップの成績の人が行くイメージがあります。
以前電力会社の求人を見に行ったことがあるので、そのときの印象を紹介します。
- 福利厚生が良い
- 給料はそれほど高くない
- 昇級試験がある
- 就職するのは電力会社の『電気工事部門』
- 県外の支部に行く可能性がある
メーカー
メーカーといっても電機メーカーや半導体メーカー、電子部品メーカーなど様々あります。
メーカーに就職すれば「設備を動かす命令設計の仕事」または「電気と無関係の製造」などに従事することになります。
設備を動かす命令設計の仕事とは?
設備を動かす命令設計の仕事とはシーケンス制御を用いて行います。
シーケンス制御とはベルトコンベアなどの設備を「手動のボタン操作」や「自動モード」で動かす仕組みです。
工場には人の命に係わる危険な機械がゴロゴロあるので機械を緊急停止したい場合もシーケンス制御が使われます。
電気科ではシーケンス制御を学習できます。
電気保安協会
電気保安協会に就職するには電験3種の資格が必要です。
電験3種の合格率約10%なので高校在学中に取得したら地元新聞に載るでしょう!
ということで電験3種の資格取得はかなり難しい。
そこで、
工業高校の認定校制度というものを利用します。
認定校に在籍又は卒業することで、1部筆記試験が免除になったり、数年の実務経験を積むことで資格が取得できる制度。他にも認定校では学校内で受験し、資格取得できたりします。
認定校の電気科を卒業すれば電験3種といった難関資格を筆記試験なしの3年の実務経験のみで取得することができます。
電験3種を3年の実務経験のみで取得することができるので工業高校の電気科には電気保安協会から求人票が届きます。
公務員
工業高校からでも警察や自衛隊などの公務員になることができます。
私の学校では公務員になりたい人向けの公務員講座が開かれていました。
工業高校ならではの公務員就職として、自衛隊の電気設備を管理する部署、県庁の電気設備を管理する部署などに就職してる方もいます。
電気科で取得できる資格を紹介!
私が高校の3年間で取得した資格です。目安としてご覧ください!
- 第1種電気工事士
- 第2種電気工事士
- 3級技能検定 電気機器組み立て(シーケンス制御作業)
- 英検準2級
- 情報技術検定3級
- 計算技術検定3級
- パソコン利用技術検定2級
- ジュニアマイスターゴールドにも認定されました。
就職との関連性も踏まえておすすめする資格は2つです。
- 電気工事士
- 電験3種
詳しく見ていきましょう!
電気工事士
電気工事士は家の配線工事や送電線の工事などを行う仕事です。
家で電力が使えるのは電気工事士が配線工事をしているからです。
停電後に電気が復旧するのも電気工事士が復旧作業にあたり送電線の点検をしてくれるからです。
そんな電気工事士の資格には第1種電気工事士と第2種電気工事士の2種類あります。
- 最大電力500キロワットまでの大規模な電気工作物の工事。マンション、ビル、工場、大型商業施設など。
- 600ボルト以下の一般用電気工作物の工事。一般の家など。
電験3種
電験3種は発電所や変電所, 工場やビルなどに設置されている電気設備の保守・監督を行うための資格です。
第1種電気工事士と第2種電気工事士を統括するボスです。
電験3種の資格試験に合格するには、理論・電力・機械・法規の4科目を全て合格しなければいけません。
合格率は約10%なので電気科最大の難関資格であることは間違いないです。
ちなみに、私は取得した人を見たことがないです。
とはいえ、高校で取得している人もいるので頑張ってみる価値はありますよ!
授業内容
電気科の専門科目を紹介します。
- 工業技術基礎
- 情報技術基礎
- 電力技術
- 電気基礎
- 電気機器
- 電子技術
- 電子計測制御
- プログミング技術
- 実習
- 製図
- 課題研究
詳しく見ていきましょう!
工業技術基礎
工業技術基礎では『電子回路の制作』『電気工事士の試験勉強』をします。
私の学校では『電子回路の制作』として電流・電圧・抵抗を測定する機器であるテスターを作成しました。
また、『電気工事士の試験勉強』では筆記試験と実技試験の両方を勉強します。
情報技術基礎
情報技術基礎では計算技術検定3級と情報技術検定3級に関わる内容を学びます。
まずは『関数電卓の扱い方』を学び計算技術検定3級を受験します。
その後、『情報モラル』『2進数・10進数・16進数』『アルゴリズム』『c言語』などを学び情報技術検定3級を受験します。
電力技術
電気の発電方法や発電所から家までどのように電気が送電されてくるのかを勉強します。
『屋内配線』や『電気法規』についても勉強するので電気工事士の試験勉強にもなります。
電気基礎
電気基礎では『直流回路』『交流回路』『共振回路』について勉強します。
- 回路各部の電流・電圧の計算
- 抵抗・コイル・コンデンサの各受動素子の働き
- 合成抵抗・合成インピーダンスの計算
- 直流回路と交流回路の違い
- 共振回路の仕組み
電気機器
「電気基礎」で学んだことをもとに『発電機』『電動機』『変圧器』などの電気機器の原理・構造・特性・用途を勉強をします。
電気工事士と電気主任技術者の資格とも関連性あり、資格勉強に役立ちます。
電子技術
電子技術ではダイオードやトランジスタなどの半導体素子の学習をします。
その後、半導体素子を使用したアナログ回路や半導体ICで構成されたデジタル回路の働きを学習します。
電子計測制御
電子計測制御では『シーケンス制御』『フィードバック制御』『コンピュータ制御の基礎』などを学習します。
プログミング技術
プログミング技術では実際にパソコンのコンソールにプログラムを入力して出力までします。
扱うプログラミング言語はc言語で、for文やwhile文、if文などを学習します。
実習
実習は1年生から3年生まで週に1回グループで行います。
実験で得られたデータを基にレポート課題で考察・吟味を行います。
私の学校で行った実習を一部紹介します。
- シーケンス制御(プログラムでベルトコンベアを動かす実習)
- 絶縁破壊(絶縁物を十万ボルトで破壊する実習)
- 電圧降下(電源電圧と回路各部の電圧を比較しなぜ電圧降下が起きているのか考察する実習)
- 太陽光発電(ソーラパネルの角度を変えることで発電効率はどのくらい変わるのか?を考察する実習)
製図
製図の授業では『電気回路』『電動機』『住宅配線』などの製図をします。
お手本を模写するだけなので、それほど難しくありません。
課題研究
課題研究は学校によって異なりますが、先輩たちの研究を引き継ぐことがほとんどです。
私は風力発電の風車の制作をしました。発電量を競い合うコンテストにも出場しました。
グループで行うので意見を出し合い、フィードバックを重ねながら行えます。
まとめ
いかがだってしょうか?
最近では工業高校から大学への進学する人の割合も多くなっています。
国立大学にも進学できるんですよ!
私は家庭の事情もあり、就職と進学どちらも可能な工業高校に進学しました。
工業高校の雰囲気はとてもよく、笑いの絶えない毎日が過ごせました。
工業高校への進学に悩んでいる方向けに工業高校のメリット・デメリットを書いた記事がありますので、そちらも読んで頂けると幸いです。
ご覧いただきありがとうございました。