工業高校から国立大学に進学ってできるの?
工業高校から国立大学に進学し、現在3年生。私の合格体験談をお話しますね。
1.工業高校から国立大学に進学する方法
2.国立大学に進学した人の成績
3.国立大学に進学を考える上での注意点!
まず初めに、
私は学校推薦型選抜(公募推薦)で合格しました。
ですから、工業高校から国立大学に進学することは可能です。
工業高校から国立大学に進学する方法とは
工業高校から国立大学に進学する主な方法は2つあります。
- 学校推薦型選抜(公募推薦)
- 総合型選抜(旧AO入試)
➀学校推薦型選抜(公募推薦)とは
- 評定平均など、大学が求める出願条件を満たした上で、高校の校長からの推薦が得られれば受験できる推薦入試。
- 試験内容は小論文や面接、口頭試問、学科試験など大学によって様々である。(私の場合は「数学と英語の口頭試問」と「面接」でした)
工業高校から国立大学に進学するときに利用するのが公募推薦の【工業高校推薦枠】です。
例として、山形大学工学部の【工業高校推薦枠の出願資格・出願要件】をご覧ください。
高等学校若しくは中等教育学校の工業に関する学科若しくは総合学科(工業に関する教科・科目を20単位以上修得のこと。)を卒業した者又は令和4年3月卒業見込みの者で、次の要件をすべて満たし、学校長が適正を考慮して、責任を持って推薦できる者
(1)調査書の全体の学校成績の状況が4.0以上の者で、人物・学力ともに優秀な者
(2)合格した場合は、入学することを確約できる者
山形大学 学校推薦型選抜Ⅰ(大学入学共通テストを課さない学校推薦型選抜)より引用
山形大学の例のように工学部限定ではありますが工業高校の生徒のみ受験できる学校推薦型選抜(公募推薦)があります。
工業高校のほとんどの人がこの【工業高校推薦枠】で国立大学に進学します。
学校推薦型選抜(公募推薦)は学校長の推薦が必要となりますが、学校長は大学側の募集人数を超える志願者を高校からは出願させないので募集人数を超える志願者がいた場合、校内選考があります。
➁総合型選抜(旧AO入試)とは
- 学校長からの推薦は必要ない。誰でも受験可能。
- 小論文や面接、口頭試問、プレゼンテーション、一部学科試験を含む試験などで審査する。
- 志望理由書や活動実績書、学びの計画書、その他資格証明書などで審査する
総合型選抜(旧AO入試)は受験生の人物像と大学の求める学生像(アドミッション・ポリシー)がどれだけ合っているかで合否が決まる入試です。
学校長の推薦が必要がなく誰でも受験可能なので学校推薦型選抜(公募推薦)と比べると工業高校生のAO入試の合格率はかなり低めです。
AO入試のみの受験は絶対におすすめしません。
成績公開
国立大学に合格した人の目安としてご覧ください。
成績(評定)
学年 | 評定 |
---|---|
1年生 | 4.9 |
2年生 | 5.0 |
3年生 | 5.0 |
平均評定 | 4.97 |
取得資格
- 第1種電気工事士
- 第2種電気工事士
- 3級技能検定 電気機器組み立て(シーケンス制御作業)
- 英検準2級
- 情報技術検定3級
- 計算技術検定3級
- パソコン利用技術検定2級
- ジュニアマイスターゴールド
部活・生徒会
勉強時間を確保するために部活は写真部に所属。内申点を上げるために生徒会にも所属。
私の高校では国立大学合格者のほとんどが文化部に所属していました。
もし、国立大学を志願するのであれば部活選びは重要です。
課外活動
ボランティアには毎年2回以上参加していました。
ボランティアにも種類がたくさんあります。中には自分も楽しみながら参加できるものもありました。
気分転換・社会勉強を兼ねて、友達を誘ってボランティアにたくさん参加しよう!
工業高校から国立大学に進学するメリット
受験可能なのは工業高校の生徒だけ!
工業高校の生徒が国立大学を受験するときは➀学校推薦型選抜(公募推薦)と②総合型選抜(旧AO入試)のどちらかまたは両方で受験することになります。
多くの人は学校推薦型選抜(公募推薦)で受験します。
というのも、学校推薦型選抜(公募推薦)には工業高校の生徒のみが受験できる「工業高校枠」があり、総合型選抜(旧AO入試)と比べると合格率が断然高いです。
倍率が低い
上記で述べたように工業高校の生徒は「工業高校枠」で国立大学に進学することが多いので倍率はさほど高く
ありません。そもそも工業高校は就職に特化した学校ですからね!
ただ、最近は「工業高校枠」が知られてきたり、工業高校の生徒でも大学への進学を希望する人が増えてきたので今後倍率が高くなる可能性があるので注意が必要です。
受験内容が少ない
学校推薦型選抜(公募推薦)の受験内容の多くが「口頭試問と面接」です。
口頭試問の内容は「物理・数学・英語・工業科目」が中心です。(私は数学・英語・面接でした。)
専門教科のアドバンテージ
私が国立大学に進学して感じたことは専門教科のアドバンテージがあることです。
よく工業高校の生徒が国立大学に進学すると苦労すると言われています。
正直、私も1年生のときは一般科目が多かったので苦労しました。
しかし、2年生になると専門科目が増え、徐々に勉強についていけるようになりました。
工業高校から国立大学に進学するデメリット
枠が少ない
学校推薦型選抜(公募推薦)の「工業高校枠」はせいぜい2~5人程度です。
枠が少ないので受験をあきらめる人も中にはいます。
私が受験した国立大学では募集要項に3人と書かれてあるのに対して4人合格にした年がありました。
同じ点数だったことが考えられますが、受験時に求められているのは大学の授業についていけるだけの「基礎学力」と「大学で何をしたいのか明確であるか」の2点だと思います。
1発勝負
工業高校の生徒が国立大学を受験するときは基本的には学校推薦型選抜(公募推薦)で受験することになります。
学校推薦型選抜(公募推薦)での受験は学校長の推薦が必要なので1発勝負!
不合格になった場合、私立大学・短期大学に進学することになります。
留年する可能性が高い
工業高校の生徒と進学校の生徒との間にはものすごい学力の差があります。
大学の授業のスピードも速く、遊んでいる暇なく勉強して差を埋めなければいけません。
私も1年生のときは微分・積分の勉強をずっとしていました。
国立大学に進学を考える上での注意点!
工業高校からの国立進学率
私の高校から国公立大学に進学したのは240人中12人。
割合としては5%!国公立大学への進学率は毎年このくらいです。
あくまで僕の高校の話ですが、工業高校から国立大学に進学するには覚悟と努力が必要になります。
工業高校からの入学は3人
私の学科では、僕を含めて工業高校からの入学者は80人中3人でした。
県内外の有数の進学校出身者が多い中で、出身高校を言うのが少し恥ずかしかったのを覚えています。
しかし、近くの人に話しかけてみると「試験のときに会っていた同じ工業高校の入学者」や「同じ県内の高校の入学者」、「同じ中学校の入学者」がいたのですぐに輪に溶け込むことができました。
授業のレベルが ”グンッ!” と上がる
大学の授業は自分の想像の何倍もレベルが高く、専門性が増す!
授業時間が90分×15回なのでテスト範囲が広くなります。内容もより専門的なものになります。
特に大学1年のときは物理や微積分などの専門科目に加え、経済や法律、化学などの普通科目を受講しなければならないので付いていくので精一杯でした。
進学校出身者にとっては高校の復習であっても、工業高校出身者である僕にとっては初めて学ぶ知識ばかりでとても苦労しました。それでも留年せず、現在3年生まで進級できました。
残念ながら工業高校生の留年率は高いです。しかし、留年せずに卒業している方がいるのも事実!
本人の努力次第でどうにでもなります!
まとめ
いかがだったでしょうか。
工業高校から国公立大学に進学するのは ”上位約5%!” 狭き門ではありますが、狙う価値はあると思います。
ご覧いただきありがとうございました。